《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!

「そう言えば、レオ……の《望むもの》って何だったのかしら──」

 《妻になってくれ》という言葉の破壊力が強すぎて、聞きそびれてしまったのだ。

 ── 一方的に打ち明けさせといて、自分の望みを言わないなんてずるい。あの男、やっぱりいけすかない……っ

 薄桃色の二枚の花びらのような唇を尖らせる。
 それでもふうっと一息つくと、ぼそりと小さく呟いた。

「でも…………地獄部屋から出してくれたのは、感謝してる」




 *┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈*




 人の背ほどある大鎌《おおがま》が、騎馬で疾走するレオヴァルトの馬の傍をビュンと掠めた。

 逆巻く疾風の中に斬られた馬の尻尾が舞う。



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