《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
 おぞましいあの《予知夢》に争うべく、ユフィリアは今日まで奮闘してきた。
 まずは悲劇の発端となった聖女認定。
 力を示すどころか下級聖女でも簡単にやり遂げるような治癒すらできないふりをした。

 しかし、ユフィリアは他の聖女が持たない『心の病』を癒す力があった。
 ユフィリアがグラシアを注ぐと、鬱症状に悩まされる患者の気分が嘘のようにスッと軽くなるというのだ。これは極めて特殊な力であり、ユフィリアはギリギリ『聖女』として認定された。

 擦り傷さえ治せない者が聖女として認められたのは、今思えば精神の病は王族や貴族が多く抱える病であるため、ユフィリアを金儲けの手段として利用すべく金の亡者レイモンド司祭の思惑が絡んでいたのだろう。

 こうして下級聖女ユフィリア・ダルテが誕生する。


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