《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「ねえ、叔父様ならわかってくださるわよね? わたくしの、このやるせない気持ちを……」
「どうしたのだ、言ってごらん」
「ユフィリアよ。あの女、聖騎士ルグラン様よりもいい男の婚約者をあてがわれたからって、わたくしに見せつけてくるの……マウントを取ってくるのよ。自分たちは心が繋がってるとか何とか言っちゃって、このわたくしを見下して」
「それは不愉快であったな。そうかそうか。だが安心なさい。あの娘には後で私がよく言い聞かせておこう……」
──今夜はより太い鞭《ムチ》を振るってやろう。
レイモンドの目の裏には、苦痛で顔を歪ませるユフィリアが映っていた。
「違うの、叔父様。そんなのを望んでるんじゃないの」
「ならば何を望むのだ? 咎めることは出来るが、ここは教会だ。罰を受けさせるにも限界がある」
──やりすぎると殺してしまうからな。絶妙な《手加減》が必要なのだ。
ほとばしる鮮血を想像すれば、自然と笑みが漏れる。
危うく性衝動に駆られそうになり、己を自制するのに手こずった。