《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
やはり疼くような性衝動が襲ってくる。
眼前で目を丸くする姪のイザベラが──血まみれになりながら「助けて」と懇願するあの娘、ユフィリアに見える。
レイモンド卿は、油断すれば垂涎が垂れそうになる濡れた唇を、おもむろに舌先で舐め取った。
*
教会の敷地の外れにある『聖水の泉』に漆黒の騎士服のまま全身を浸すと、衣服が水を吸って濡れそぼっているはずの身体がすっと軽くなる。
全身に浴びた《穢れ》というものは、どうやら物質的なものとは別の《重み》を伴っているらしい。
──これで穢れが祓えるというのだから、不思議なものだな。
神が住まう場所は名ばかりではなく、こうした聖水の存在によっても『神域』の意味を得ている。
泉から上がったレオヴァルトが目を閉じて詠唱を唱えれば、金色の光が身を包む。
光が消えれば一瞬で全てが乾いた状態に戻った。