《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!

鳥籠の小鳥


 *┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈*



 ユフィリアの部屋では、グレースが《戦闘態勢》で待ち構えていた。

「グレース!」

 ドアを蹴破る勢いで駆け込んで来たレオヴァルトが叫ぶ。
 彼の剣幕に驚いたグレースが「ふぁっ?」と声をあげた。

「鞭で打たれた……! 寝台はどこだ、寝かせるからすぐに診てやってくれ! 背中の怪我が……酷いんだ」

 寝かせると言いながらも、抱えままのユフィリアの顔を初めて見るかのように覗き込んでは、鼻先に自分の頬を近づけたりしている。

「ユフィリア……ッ、息、してる……?!」

 レオヴァルトはひどく慌てているが、もう何度もこのような修羅場に遭っているグレースはある意味、《《慣れて》》いる。

 ──きっとここまで、脇目も振らずに駆けつけてくださったのね。




< 152 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop