《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
 ——考えてても仕方がない、私は自分にやれることをやるだけ。
 王族との結婚が避けられたんだもの。これから先も、きっとうまくいく……!

 窓際に立ってカーテンを開ければ、朝ぼらけの空が眩しかった。眼前に広がる王都の町を眺めながら、ため息の代わりに「う〜ん」と伸びをする。
 背中が痛むので、いつもよりちょっと控えめに。

 唐突にノックの音がして、隣部屋のグレースの明るい声がした。

「ユフィ……起きてる? 私だけど、入ってもいい?」



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