《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
 たましいの抜けがらになったユフィリアは「はい」と応えたつもりだったが、声にはならなかった。
 なのに黒騎士——レオヴァルトは、

「ははっ」

 と、何故だか堂々と礼を取っている。
 利き腕の拳を胸に充てるのは、相手に忠誠を誓うという標《しるし》でもあった。

 ——ばかなの……。
 絶体絶命の場で堂々としていられるなんて。
 私たち、これからどうなるかわからないのよ。
 あなただって、神聖な大聖堂に穢れを持ち込んだ罪に問われるかもしれないのよ……!!

 

 
< 31 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop