《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
額に冷や汗を滲ませながら黒騎士を見上げれば、黄金色《きんいろ》の双眸がギロリとユフィリアを見下げてくる。
『出るよ……?』
顎で出口を促して(通じていれば!)、黒騎士の腕を引っ張った……のだが。
微動だにしない。
反対に、顎で何かを促される。
くい、くい、と黒騎士の顎が指し示すその先にあったのは——白髪を肩まで伸ばし、白い髭を口元に湛えた聖ルグリエット大司祭様がこちらを凝視する視線であった。
——終わった。
がくん、と項垂れるユフィリアの耳に、よく通る低い声が届く。
ユフィリアのみならず、大聖堂に集められた百名を越す聖職者たち一同が、天まで届きそうな礼拝堂の大空間に響くその声を聴いていた。
「聖女ユフィリア・ダルテ。そして黒騎士レオヴァルト・ヴァルドフ。前に出なさい」
『出るよ……?』
顎で出口を促して(通じていれば!)、黒騎士の腕を引っ張った……のだが。
微動だにしない。
反対に、顎で何かを促される。
くい、くい、と黒騎士の顎が指し示すその先にあったのは——白髪を肩まで伸ばし、白い髭を口元に湛えた聖ルグリエット大司祭様がこちらを凝視する視線であった。
——終わった。
がくん、と項垂れるユフィリアの耳に、よく通る低い声が届く。
ユフィリアのみならず、大聖堂に集められた百名を越す聖職者たち一同が、天まで届きそうな礼拝堂の大空間に響くその声を聴いていた。
「聖女ユフィリア・ダルテ。そして黒騎士レオヴァルト・ヴァルドフ。前に出なさい」