《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
『幸せにおなりなさい』
遠くなりつつある意識のなか、柔らかく穏やかな声がする。朝の礼拝でのみふれることができる、すさんだ心を癒やしてくれる声。
それが初めて、ユフィリアのためだけに放たれたのだ。
——私……しあわせに………なれるの、かな………。
視界が狭まりかけたとき、
「ユフィリア、平気か?」
『ユフィリア、ユフィリア…………』
低いがよく通る艶のある声が、どこからか鼓膜に響いてくる。
ユフィリアを呼ぶ、《《かつて愛した》》人の優しい声を聴いた気がした。
——陛、下…………?
重いまぶたをゆっくりと持ち上げると、黄金色《きんいろ》の双眸が見下ろしている。
たった今、正式に婚約者となった黒騎士の逞《たくま》しい腕が、くずおれかけたユフィリアの身体を支えていた。
遠くなりつつある意識のなか、柔らかく穏やかな声がする。朝の礼拝でのみふれることができる、すさんだ心を癒やしてくれる声。
それが初めて、ユフィリアのためだけに放たれたのだ。
——私……しあわせに………なれるの、かな………。
視界が狭まりかけたとき、
「ユフィリア、平気か?」
『ユフィリア、ユフィリア…………』
低いがよく通る艶のある声が、どこからか鼓膜に響いてくる。
ユフィリアを呼ぶ、《《かつて愛した》》人の優しい声を聴いた気がした。
——陛、下…………?
重いまぶたをゆっくりと持ち上げると、黄金色《きんいろ》の双眸が見下ろしている。
たった今、正式に婚約者となった黒騎士の逞《たくま》しい腕が、くずおれかけたユフィリアの身体を支えていた。