《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!

さらし者のふたり


 ꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳


 今朝の礼拝は、当事者のユフィリアはもちろん、誰も予想していなかった展開となってしまった。

 礼拝を終えた聖職者たちがぞろぞろと大聖堂を後にする。
 お揃いの白い職服に身を包んだ、若い聖騎士と聖女たちが他愛ない会話を交わしながら歩くさまは、さながら学校の下校風景だ。

 彼らの中に混ざるとも混ざりきれず、ユフィリアと黒騎士の姿があった。
 ユフィリアはすっかり気落ちしていて、トレードマークのツインテールもどこかしゅんとして見える。

「私との婚約が気に食わないのはわかるが、まさか卒倒しかけるとはな。そんなに驚いたのか?」

 大司祭様による聖女と聖騎士の婚約宣告はユフィリアもこれまで幾度となく見てきたはずだが、自分には関係ないとうわの空を決めこんでいた。
 ろくにちゃんと見たことがなかったというのが正しいかも知れない。
 まがりなりにも聖女の分際で情けないのだが、遅刻ばかり繰り返してしているので、宣告式をたびたび見逃してきたというのもある。

「…………た」
「ン?」


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