《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「迷惑、かけてごめんなさい」
「お……っ?!」
驚いてのけぞるレオヴァルト。
威勢よく悪態をつくしか脳がないと思っていた聖女ユフィリアが、なぜか頭を下げて謝ってきたのだ。
すでに婚約している聖騎士と聖女のカップルが、仲睦まじく寄り添いながら腕を組み、ユフィリアたちのすぐそばを通り過ぎて行く。
彼らはみな、あからさまに振り向いては馬鹿にしたようにくすくす笑ったり、明らかな揶揄いの目を向けて囁きあったりした。
「私の婚約者ってことで……関係ないあなたまで、晒し者にされてる」
レオヴァルトは薄く開けた目で周囲から刺さる視線の矢を確かめた。
見れば、他の聖女たちも同様に嘲笑し、ユフィリアたちを振り返ってまで好奇の眼差しを向けている。