《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「どんな野獣でもべつに良いではありませんか。だって《《ユフィリアの》》婚約者よ?」
「ふふ、それもそうね」
見かねたレオヴァルトが何か言葉を発しようとすると、見越したようにユフィリアがレオヴァルトの袖を引き、俯いたまま首を振る。
——関わらなくていい、いつもの事よ。
レオヴァルトには、ユフィリアがそう訴えているように思えた。
「それにしても。ユフィリアがまさか、ルグラン様以外の男に走るとはね。ルグラン様の《推し活》に、あんなに励んでいたのに?」
あんなに、をやたら強調した物言いだった。
三人のうちの一人が顎をしゃくって見下すような仕草をする。
「なに言ってるの、ルグラン様はイザベラ様に夢中なんだから。ユフィリアなんか、《《あの》》ルグラン様が相手にされるわけないでしょう? ルグラン様に失礼よ」
「ルグラン様が《《伯爵家》》のご出身だと知っての《推し活》だったのかしら? スラム街から出てきた下級聖女が好きになるなんて、身のほど知らずも良いとこですものね」