《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「聞かれていたなんてお恥ずかしいですわ。わたくしたち、とんだ失礼を……!」
諌められた三人の聖女が慌てたようにサッとその場をあとにする。
レオヴァルトの双眸に映ったのは、誰もが目を見張るような美貌の聖女と、聖女に締め上げられるほど強く腕を組まれた聖騎士の、凛とした佇まいだった。
「ふふ」
白金《しろがね》の長い髪を風に遊ばせた美しい聖女が、唇に可憐な微笑みを浮かべている。その瞳は海のように蒼《あお》く、けれど光を宿すことなく燻んだ翳りを見せていた。
「先ずはおめでとうと言うべきね、ユフィリア」