《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「そうだ、ユフィリア。あなたの《《素敵な》》お相手を私たちに紹介してくださらない? ルグラン様だって、あなたのお相手がどんな人なのか気になっているでしょうから」
レオヴァルトは、先ほどから持論をまくし立てている美貌の聖女を見やり、次に彼女の隣でそわそわ落ち着かない聖騎士に視線を移した。
他の聖女はユフィリアがこのルグランという聖騎士に《推し活》をしていたと言った。《推し活》の意味はレオヴァルトでもなんとなくわかる。
要するに、ユフィリアはこの聖騎士を好いている。
——ユフィリア?
『わがままで傲慢な聖女ユフィリア』は、先ほどから何を言われても唇を閉ざし、俯いている。
傲慢なくせに何も言い返さないのだろうか。これではまるで非力な小動物が、白い蛇にジリジリと巻かれているようではないか。
そんな異様な光景に、レオヴァルトは目を眇めた。