《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
彼らの関係性をレオヴァルトはよく知らない。けれどこの筆頭聖女がユフィリアの想い人に言葉を迫った挙句、ユフィリアが傷ついたのはわかる。
あぜんと口を開けた聖女と聖騎士を背中に見て、レオヴァルトはその場を後にした。
「あの黒騎士……ユフィリアに似て、戯言《たわごと》が過ぎるようね……!」
今度はイザベラがひゅ、と喉を鳴らす番である。
立ち去る黒騎士の背中を睨むように見送りながら、ルグランの腕に回した自分の腕に、ぐ、と力を込めた。
꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳
聖女の加護を求めて次々とやって来る人々の治癒に翻弄される一日が、今日も終わろうとしていた。
「ふあぁ」と大きく息を吐きながら、グレースは自室に置かれたベッドに勢いをつけてダイブする。