《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
ひと月ほど前、筆頭聖女イザベラが聖騎士ルグランに夢中だと流れ聞いてから、イザベラとルグランが連れ立って歩く姿が度々目撃されていた。
「イザベラが強引に迫ったのよ。だってルグラン様がそう言ってたんでしょ?! イザベラが言い寄ってくるから仕方なく一緒にいる、自分が好きなのはユフィだって………」
ユフィリアがふるふる首を振れば、ツインテールもつられて小刻みに揺れる。
「ルグランは初めから私じゃなく、イザベラが目当てだった。イザベラの気を引くために、私を利用したんだと思う」
「そんな……」
「今朝、私が大司祭様から婚約宣言を受けたのは知ってるでしょう? 私のことがまだ本当に好きなら、イザベラを振り切ってでもなぜ婚約したんだって私を問い詰めても良かった。そんなそぶりすら見せずに、ルグランは……」