《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「ん——。なんか思ってること吐き出したらスッキリした。聞いてくれてありがとね、グレース!」
「えっ、えええ——っ?!」
ユフィリアの切り替えの素早さには感心してしまう。
空になったグラスをテーブルの上に置くと、ユフィリアは両手を高く掲げて頭の上で組む。そして「んあぁぁ!」と大きく伸びをした。
「くよくよしてたって仕方ないもんね、頭切り替えるわ! あのいけすかない黒騎士も、どうにかしなきゃだし」
泣き出しそうだった表情はどこへやら。
今度は悩ましげに眉を顰め、思案に暮れている。
「っ、あの黒騎士って……」
「うん。なんか勝手に婚約させられちゃったみたい」
「えええ————っ!」
グレースの頭が追いついていない。