《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「でも、彼。遠目に見ただけだけれど、ワイルドな感じがちょっとかっこよくなかった?」
かっこよい、という言葉にユフィリアは世界が終わったような声で「グレース……」と反論する。
「なに言ってるの、ちゃんと見えてた?? ワイルドって言えば聞こえはいいけど、身だしなみに気を配ってないだけでしょう」
「ふふ、魔獣を討伐するのがお役目の黒騎士だもの。身だしなみなんて気を配っていられないのよ」
他の聖女たちがレオヴァルトの身なりが見すぼらしいだの穢れているだのと散々ばかにしたものを、グレースは聖母様のような優しさで庇護しようとしている。
そんなグレースに改めて尊敬の眼差しを向けながらも、ユフィリアの見方は懐疑的だ。
「グレースは知らないからよ、あの黒騎士のいけすかなさを」