《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「やめてよグレース」
「みんなが私と同じ目で彼を見てるわ」
「そんなことないから」
——見た目が変わったくらいで、そう簡単に人の印象は変わらない。
少なくとも、私は……。
黒騎士から目を逸らせ続けていると、グレースがまた突っついてくる。
「レオヴァルト様ったら、熱い視線でずーっとユフィを見つめてるの」
熱に絆されたようなグレースの言葉につい反応してしまい、意識して見ないようにしていた黒騎士にふいと視線を移してしまった。とたん黄金色の双眸と鉢合わせて背中が跳ねる。
「うぐっ」
「ほらね。ユフィったら、実は彼に愛されてたりしない?」
「はぁ——っ?!」
ガタン、と椅子が鳴る。思わず腰を上げてしまったのだ。
一斉にこちらに向けられた視線の中には、最推しの大司祭様のものもあって。ユフィリアのツインテールがまた「しゅん」となる。