《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「大聖堂《ここ》を出てどこに行くつもりだ」
「そんなの私の勝手でしょ、あなたには関係ない」

そのまま去ろうとすれば、ぐい! と音がしそうなほど強引にユフィリアの華奢な腕が男の手でつかまれた。

「っ、何するの?!」
「助けを求める者が目の前にいるのに、見捨てるのか」

「痛いわ、離して……! 離さないとぶつわよっ」

力任せに振り払おうとする。
けれど抵抗するほどに男の指がぎりぎりと手首を締め上げるので、痛みに耐えかねたユフィリアの唇がウッと小さな声を漏らした。

「なるほど、相当なじゃじゃ馬だ」


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