《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
見守りという言葉に連なって、まるで監視役のようにユフィリアに付きまとう黒騎士レオヴァルトの面輪が浮かんだ。
——付き添いは自分の義務だ〜とか何とか言っちゃって。ったく……なにが義務よ。レイモンドに指図されて、私を見張ろうったってそうはいかないんだから。
明日は聖都の子供たちを教会に招くイベントが催される。
ユフィリアはあまり子供が好きではない。というか、接し方がわからないのだ。
なにせ子供の頃、誰かに遊んでもらった記憶も、人に優しくしてもらった記憶もないのだから無理もない。
聖都の民と教会聖職者の交流会のようなものだが……控えめに言っても気が重い。
「う〜ん……あの黒騎士、交流会にもくっついて来るつもりかしら」
『ご主人さま、どうしたの、だいじょうぶ?』
ポメラが心配そうにもふもふをぶるりと逆なでる。
ユフィリアの不安が伝わったのか、空にかかる黒雲が、いつの間にかうっそりとぶ厚くなっていた。
「ん? ああ、雨……降りださなきゃいいね」