《新作》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「あんなにすてきな人に見初められるなんて、やっぱり尊敬ですっ」
「すてき、な……って……誰のことかな……?」
嫌な予感がして、ユフィリアは唇をヒクつかせた。
「決まってるじゃないですか、レオヴァルト様です! 私、交流会で見ちゃったんですよね……レオヴァルト様が子どもたちと戯れてるところっ。子どもが相手だと、聖騎士でも億劫そうな顔をする人が多いのに。レオヴァルト様はむしろ子どもたちを集めてみんなを楽しませてらっしゃいました。黒騎士って怖いイメージだったんですけど、レオヴァルト様は自分の子どもでも見るような、優しい眼差しで」
ナディアは十三歳の少女の初々しさで、うっとりと瞳を蕩《とろ》けさせる。
そう言えば聖騎士ルグランも小さい子を相手にするのは苦手だった……そんなことをつい思い出してしまう。自分もそうだから、今まで気に留めることは無かったが。
一方でレオヴァルトの名を《《四度も》》聞いてしまったユフィリアの頭痛が酷くなったのは、どうやら気のせいではないらしい。
「それに《魔力》を手品みたいに使えるなんて凄いです! 私、あんなの初めて見ました……っ」
「あぁ、なんか花とか鳥とか出してたよね。魔力もなにも、ただの手品でしょ」