晩夏に出会う線香
「一目惚れなんよ」
「え?」
一目…惚れ?
聞き慣れない単語に、思わず目をパチクリ。
そんな私を見て、真くんは目を閉じた。
「と言うのは建前で、困っとる時に人を助ける蛍。お節介だけど最後まで責任を持ってやり遂げる蛍。お前さんの性格も、容姿も、全部好きなんよ」
……。
「え、えぇっと」
一泊置いて、恥ずかしさが込み上げた。
こんなに惚気てくるとは思わなかったから、余計ドキドキした。
すると、真くんは私の頭を撫でてきた。
「よしよし」
「ね、ねぇ、子供扱いかいするのは違うと思う」
「そうかね?」
「そうだよ!」