晩夏に出会う線香
一本目:出会い
「あのさ、俺と付き合ってくれん?」
突然のことだった。
5月放課後に、誰もいない教室の中で、学校で人気者の雨夜真に告白された。
「え?」
あまりの出来事に、私、神楽蛍は思考回路が停止した。
なにがどうなって、雨夜くんに告白されるようになったんだろう。
「ドッキリ?」
「はい?」
「それとも罰ゲーム?」
「ちょちょちょ…」
それかただの悪ふざけとか?
そうじゃないと、告白してくるはずがない。
「ちょっと、ストップや!」