晩夏に出会う線香





 大声で言われて、彼を見た。


 すると、困ったように顔を歪めている雨夜くんがいた。



「お前さん、鈍感なん?」

「鈍感…ではないよ」

「嘘やぁ、告白されても顔赤くなるどころか、ドッキリとかと勘違いしとって?」



 勘違いというより、事実なのでは?



「それじゃあ聞くけど、なんで私なんかが好きなの?」

「えー、それ聞いちゃうんか〜」



 雨夜くんは「うーん」と唸った後、両手をパンッと叩いた。



「せや、髪型!」

「髪型?」

「俺な、ボブ好きやねん」

「は、はぁ」





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