晩夏に出会う線香
性格とかだと思ったけど、まさかの髪型。
ちょっと期待していたから、ガッカリした。
「そんでそんで?付き合ってくれるん?」
左耳についている銀色のピアスが、キラリと光った。
ピアスと同じくらい、キラキラと目を輝かせて顔を覗き込まれた。
「ま、まぁ、いいけど…」
特に断る理由はなかった。
別にどっちでも良かったから。
私の返事に、雨夜くんはパァッと顔を輝かせた。
「ホンマに!?嘘やないよな!?」
「う、嘘じゃないよ」
両手をギュッと握られて、内心焦った。
今まで男子に触れ合ったことがない私にとって、突然の触れ合いはドキドキしてしまう。