晩夏に出会う線香
「まさか間接キスを自分からさせるとはなぁ」
「……な!?」
言われて気づいた。
けどもう遅い。
後になって、体が急速に熱くなった。
「えっと…その……」
「なはは、可愛いなぁ」
「か、からかわないでよ!」
「ん?からかってないで?ホンマの事やもん」
サラリとそんな事を言われると、余計に体が熱くなった。
「も、もうしないからね!」
「えぇー!?それは堪忍したってや」
ふいっとそっぽを向くと、慌てて謝る真くん。
正直に言うと、そのやり取りが楽しかったし、また卵焼きをあげようかなと思ってしまった。