《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜

「クビにして終了は簡単ですけど、殿下の汚名が世に晒されちゃいますね?」

 テーブルの上のパンケーキを頬張りながら、ロイスがどうでも良さそうに言う。

 ──三度目の正直だ。
 相手に常識が通じないならこっちは頭脳戦。
 覚悟して待ってろ、変人侍女……!

 そう思えば俄然《がぜん》やる気がみなぎってくる。
 くっ、くっ、と肩を揺らして含み笑いを始めたカイルを一瞥し、アドルフが冷ややかに呟いた。

「殿下は二度も負けたショックで異界に旅立たれたようだ」



< 103 / 112 >

この作品をシェア

pagetop