《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜

ニコリ。

沈黙がいたたまれなくなり、心を誤魔化す時はいつもそうするように、無理からに『笑顔』を作りだした。
女性らしい可愛らしさには程遠いぎこちなさだと自分でもわかっている。

無理に笑顔を作るセリーナに負けず劣らず、ぎこちない薄笑いを浮かべたアベルが先に言葉を発した。

「ああ……そのっ。呼び出しておいてすまない。今更、告白ってワケじゃないんだけど」

「 ぇ、……?」

告白、という響きにどくりと反応してしまう。

「セリーナ、君は綺麗だ。僕は小さい頃から君の事を《《知っている》》。ずっと打ち明ける勇気が無かったが、僕には……はっきりと、《《見える》》」

見えるって、いったい何が?
アベルは突然に何を言いだすのだろうか。
セリーナは碧色(みどりいろ)の瞳を大きく見開いた。



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