《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜
「君のその眼の色だって、僕はキレイだと……ずっと思っていた」
——本当に、何を言っているのだこの人は。
私の眼の碧色は気味悪がられこそすれ、キレイだなんて言われた事なんか一度もない……!
「冗談……よね? キレイだなんて、そんなはずがないもの」
冗談半分に馬鹿にされているのかとさえ思う。
ぐらりと心が揺らいでも、セリーナは笑顔を取り繕うのをやめる事ができない。
「なんで自分のコト、そんなふうに思うの?」
「だって私は……村の人たちから醜悪だって……『ガイム』なんてあだ名まで付けられていること、あなただって知っているでしょう、……っ」
すると、唐突に抱き寄せられた。
驚きのあまり身体が硬直してしまう……鋼のように脈打つ心臓が、口から飛び出してしまいそう!
そしてアベルは形の良い唇を動かして、さやくように言うのだった。
「セリーナ、聞いて……。他の奴らは知らないコトを僕は知ってるんだ。君の《《秘密》》を」