《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜

白の侍女



部屋割りは出願番号順ということで、アリシアとは同室になった。
広大な宮廷の一角にある、まるで女子寄宿寮のようなメイド専用棟の一室を与えられ、お互いのベッドの位置を決める。

二十名足らずの上級侍女たちのために用意されていたのは、使用人のものらしからぬ豪奢な部屋。
これまでの人生で触れたこともないほどふかふかのマットレスに驚愕しながら……セリーナは窓側のベッドを選んだ。

「——とりあえず、着替えましょうか」

皇城に奉公する侍女たちはその階級によってお仕着せが色分けされていて、黒色の下級メイドと初級侍女、紺色の中級侍女、セリーナたちは白色で上級侍女に分類され、宮廷内では『白の侍女』と呼ばれるらしい。

色分けしておけばひと目でわかるという理由もあるが、お仕着せの素材すらも黒から白まで格付けをされているというのには驚いてしまった。

皇宮に住まう皇族たちに仕えるのに相応しく、洗練されたデザイン。セリーナたち『白の侍女』に於いては、業務に差し障りがなければ髪型にも決まりはない。




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