《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜
「裏庭の離れ屋敷に呼ばれたのですって、セリーナをご指名で……皇后陛下、直々に」

侍従長が無言のまま去ったあと、アリシアは呆けたように呟いた。
皇后陛下と聞いてもセリーナにはピンと来ない。

——えっと。
皇帝陛下の奥方様で、カイル殿下の実母様、ですよね……?

セリーナときたら相変わらずのボケっぷりである。

「皇后様にご指名を受けたのよ、セリーナ。あなた何か心当たりは?!」

ない、ない、あるはずない。
心が必死で叫んでいる。



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