《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜

「《《綺麗な》》お嬢さんになって……。ご両親が、さぞかし大切にお育てになったのしょう」

 セリーナは驚愕してしまう。

——こんな私を《《きれい》》だなんて!? 
皇后様は目がお悪いのでは……っ。

「あなたに会えて、良かった。ご両親は、お元気?」
「は、はい。両親も弟も……」

それ以上は口をつぐんだ。
弱々しく寝台に横たわる陛下に向かって『みんなぴんぴんしています』なんて豪語するのは気が引けてしまう。

「そう……弟さんも……。良かった」

それにしてもどうして陛下ともあろうお方が、自分や家族のことを知っているのだろう。セリーナの家族と帝国の雲の上の人が、いったいどこで、どう繋がったというのか。




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