《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜

「ぁ、ロールキャベツ」

メイン料理はキャベツの葉にひき肉を包んだ煮込み料理だ。
戸惑う気持ちをごまかそうと食事を口に運んだとき。
隣のテーブルに座っていた、セリーナと同じ『白の侍女』たちの黄色い声が沸き立った。

「ええっ、あなた今夜なの?! それって今年の《《宵の侍女》》、第一号じゃない」
「おめでとう!」
「はあぁっ、なんだか私まで緊張しちゃいますわ」

おめでとう……?
皇太子の宵のお相手を、そんなふうに思えるなんて。

—— いきなり《《仕事の》》リアル感が漂ってきましたね。
皇后陛下のお願い事だけじゃなくて。
白の侍女の業務のことも《《理解》》できるように、私も気持ちを切り替えておかないと……。

中々理解し難い世界だけれど、近いうちにセリーナにだって、もれなく『業務』の順番が巡ってくるのだ。



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