《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜

「隠されると余計に見たくなるものだぞ?」
「じっと見られたら……困ります」
「見るだけで困ると言うのなら」

もっと困らせてやろうか。
そう言わんばかりの皇太子の双眸は、強い欲情の光を放ちはじめていた。
自分の身体を抱きしめて可愛い抵抗を重ねているセリーナの腕を難なく引き剥がすと、か細い手首を掴んで頭の上に縫い留める。

「なっ!?」

てっきり許してもらえると思っていたのに、肩透かしを喰らったようだった。

「昔から男女の交わりは互いに一糸纏わぬものと決まっている。初心だとはいえ、知らぬとは言わせないぞ」

防御が外れたところに長い指先が伸びた。
すべらかな肌に手のひらを這わせながらセリーナの夜着をするりと捲し上げると、固く閉じた両足が白い腿まであらわになる。

あまつさえこれでもかと見開かれたセリーナの二つの瞳には、恐怖の色が滲んでいた。



⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆



< 7 / 77 >

この作品をシェア

pagetop