《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜
寝台に入ってみても気になって、どうにもこうにも眠れやしない。
今頃、アリシアと皇太子殿下は……。
いかがわしい想像ばかりが立ち上がるが、これは『業務』、仕事なのだ。
心に言い聞かせてぎゅっと目を閉じる。
——この業務を望んでいたアリシアなら、きっと大丈夫。
買い物から戻った母親のように「ただいま!」と言って、いつも通りの冷静さで業務の感想やなんかを話してくれるだろう。
꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳
二時間ほど経った頃、カチャリ……部屋の扉が静かに開かれた。
この時間になるまで少しも眠れずにいたセリーナが寝具を跳ねのけて身を起こす。
「アリシアっ、お……おかえりなさい」
「セリーナったら、起きててくれたの?」
「なんだか眠れなくて。それより、どうでした……? 初めてのおしごと……」