《新装・R15版》夜伽侍女が超絶鈍感を貫いたら、皇太子の溺愛が待っていました〜蟲姫は美しい蝶に夢を見る〜
「あのう……。皇太子様が望んでいらっしゃることが、今やっとわかりました。こ、……こんなものをお見せして《《喜んで》》いただけるかどうか、自信がありませんが……」
ベッドの脇にスッと立ち、セリーナはおもむろに夜着の胸のボタンを外し始めた。
──思考が全く理解できない!
しかし相手が脱ぎ始めたからには放っておけない。
ゴホン、と咳払いをし、気を取り直してセリーナに寄り添ってみる。ボタンを外す彼女の手を手伝うように、自分の手のひらを重ねあわせた。
華奢な身体からは想像できなかった、思いのほか豊かな胸の膨らみがカイルの視界に入る。白い首筋にチュッ……と濃密な音を立てて、ゆっくりと吸い付くようなキスを落とした。
カウチに寝かせながら、侍女の両脚を開くようにトラウザーズの片足を割り入れる。
重なり合う二つの影。
……しばしの沈黙が流れた。