男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました
 ……なんだか、その言い方だとレオンの方が劣ってるみたいに聞こえるけど、そんな事ないから。
 むしろキールのように顔面偏差値だけで生きてきた穴ぼこだらけの人間性よりもレオンのようにオールマイティでパーフェクト男子は高物件でしょ。

 肩書きだけで言ってるのならばそうかもだけど、侯爵家はコーデリア公爵家よりも古くから存在している由緒ある家柄だし。
 新しいもの、地位が三度の飯と同じくらい好きなマルコフにとってはそう捉えてしまうんだろうけど。

「リーチェ、侯爵を逃すんじゃないぞ。さっさと結婚までこぎつけるのだ」
「パパ、急がば回れとはよく言います。あまりがっつくのも良くないかと。特にあのレオン様は石橋を叩いて渡るタイプですから、無理にどんどん進もうとして橋が崩落しないようにしなければ」
「がハハッ、それもそうだな! さすがはわしの娘だ!」

 マルコフはここ最近で一番の上機嫌な顔で笑った。

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