男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました
「これはこれは、バービリオン侯爵殿。お初にお目にかかります。リーチェの父、マルコフ・トリニダードと申します」
私がレオンの色香にやられている間に先に下の階へとたどり着いたマルコフは、レオンとやうやうしく挨拶を交わしている。
「レオン・ベイリー・バービリオンです。男爵の噂は兼ねがね聞いていますので、お目にかかれて光栄です」
「そうでしたか。いやはやお恥ずかしい。バービリオン侯爵に比べれば私の噂など蚊の鳴くようなものでしょうがな」
マルコフはガハハと笑い、背中を仰け反る。ふっくらとしたお腹がそれによってより顕となっている。
「そんなバービリオン卿と婚約を結べる娘は、この帝都一の幸せ者ですな」
すかさず婚約の話に持っていくマルコフに、私はそろそろ下に降りなければと決意する。このままもう少しイケメンレオンの高みの見物をしていたかったのだけれど、どうやらそうもいかなさそうだ。
放っておいたら、マルコフはどんどん会話をエスカレートさせていく可能性があるからだ。
「パパ」
私が声をかけながら階段を一歩一歩降りる。すると、マルコフへと視線を向けていたレオンの青い瞳が、私の視線と空中でカチリと合った。
今日は侍女が普段以上に気合を入れて巻いてくれた髪とメイク。
そして優雅なドレスに身を包んだリーチェに、レオンはまるで見惚れたように魅入っている。
私がレオンの色香にやられている間に先に下の階へとたどり着いたマルコフは、レオンとやうやうしく挨拶を交わしている。
「レオン・ベイリー・バービリオンです。男爵の噂は兼ねがね聞いていますので、お目にかかれて光栄です」
「そうでしたか。いやはやお恥ずかしい。バービリオン侯爵に比べれば私の噂など蚊の鳴くようなものでしょうがな」
マルコフはガハハと笑い、背中を仰け反る。ふっくらとしたお腹がそれによってより顕となっている。
「そんなバービリオン卿と婚約を結べる娘は、この帝都一の幸せ者ですな」
すかさず婚約の話に持っていくマルコフに、私はそろそろ下に降りなければと決意する。このままもう少しイケメンレオンの高みの見物をしていたかったのだけれど、どうやらそうもいかなさそうだ。
放っておいたら、マルコフはどんどん会話をエスカレートさせていく可能性があるからだ。
「パパ」
私が声をかけながら階段を一歩一歩降りる。すると、マルコフへと視線を向けていたレオンの青い瞳が、私の視線と空中でカチリと合った。
今日は侍女が普段以上に気合を入れて巻いてくれた髪とメイク。
そして優雅なドレスに身を包んだリーチェに、レオンはまるで見惚れたように魅入っている。