男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました
「コーデリア公爵様。これでお分かりでしょう? これ以上私と関わっても良いことは何一つないということが」
悪役公爵。婚約は破棄になったし、下手に刺激はしない方がいいと思いつつ、レオンがマリーゴールドと出会ってしまったことによって、いつまでレオンの影に隠れられるか分からない。
となれば、今のうちにキールには釘を刺しておき、レオンが私の元を去る頃にはキールが手出しできないように資金を作って逃亡、もしくは香水事業が上手くいけば、利用者である他の貴族達からも後ろ盾が得られるかもしれない。そうなればレオンがいなくともキールを怯える必要がなくなる。
「……たかが男爵令嬢の分際で、俺にケンカを売るとはな。その度胸だけは認めてやろう」
ケンカを売る? 度胸だけは認めてやる? この男はまだそんなことを言ってるの?
「僭越ながら申し上げますが、先にケンカをふっかけて来たのは公爵様かと存じます。そもそもケンカを売ったのも私ではなく、レオン様だったと思うのですが?」
「はっ、よくもぬけぬけと。この俺の顔を殴ったのはどこのどいつだ?」
キールは歪んだ顔を覆うように、手を当てた。
悪役公爵。婚約は破棄になったし、下手に刺激はしない方がいいと思いつつ、レオンがマリーゴールドと出会ってしまったことによって、いつまでレオンの影に隠れられるか分からない。
となれば、今のうちにキールには釘を刺しておき、レオンが私の元を去る頃にはキールが手出しできないように資金を作って逃亡、もしくは香水事業が上手くいけば、利用者である他の貴族達からも後ろ盾が得られるかもしれない。そうなればレオンがいなくともキールを怯える必要がなくなる。
「……たかが男爵令嬢の分際で、俺にケンカを売るとはな。その度胸だけは認めてやろう」
ケンカを売る? 度胸だけは認めてやる? この男はまだそんなことを言ってるの?
「僭越ながら申し上げますが、先にケンカをふっかけて来たのは公爵様かと存じます。そもそもケンカを売ったのも私ではなく、レオン様だったと思うのですが?」
「はっ、よくもぬけぬけと。この俺の顔を殴ったのはどこのどいつだ?」
キールは歪んだ顔を覆うように、手を当てた。