男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました
……なんとも現金な話だ。レオンのことは諦めるべきだと思っているのに、こんな些細なことで喜んでしまってる自分が情けないし、マリーゴールドに対して申し訳ない気持ちになる。
そんな私の気持ちなどつゆ知らずな様子で、レオンは私のすぐ隣に立った。
「あの、レオン様……」
どこから私とキールの会話を聞いてたのかは分からないけど、レオンの会話から察するに、私がキールに決闘を申し込み、レオンを代理人に指名したことまで知ってるみたい。
ってか、さっきはレオンの申し出を取りやめさせといて、今度は決闘に出ろだなんて勝手なやつだと思われてるのでは……? そう思うと、すごくバツが悪い。
私が気まずい表情でレオンの顔を覗き見るようにして顔を見上げると、レオンは私に向けて小さく微笑みをこぼした。
「誉高い栄誉を与えてくださり、ありがとうございます」
言いながらレオンは、私の手を取って甲にキスをした。
手の甲に、レオンの柔らかい唇と熱が伝わり、それが背筋をゾワリと震えさせる。同時に私の胸の奥では、深雪を踏んだ時のような“キュッ”という小さな音が響いた。
「何もかもが不快だな」
仄暗い怒りを感じるキールの声に、私はハッ我に返る。今感じた感情をどこかへ押しやり、レオンの手をパッと離す。
あの後マリーゴールドと何か話したのか。彼女のことをどう思ったのか。レオンは今でも私を……?
聞きたいことはたくさんあるけど、今はひとまずキールの事をどうにかするのが先決だ。
そんな私の気持ちなどつゆ知らずな様子で、レオンは私のすぐ隣に立った。
「あの、レオン様……」
どこから私とキールの会話を聞いてたのかは分からないけど、レオンの会話から察するに、私がキールに決闘を申し込み、レオンを代理人に指名したことまで知ってるみたい。
ってか、さっきはレオンの申し出を取りやめさせといて、今度は決闘に出ろだなんて勝手なやつだと思われてるのでは……? そう思うと、すごくバツが悪い。
私が気まずい表情でレオンの顔を覗き見るようにして顔を見上げると、レオンは私に向けて小さく微笑みをこぼした。
「誉高い栄誉を与えてくださり、ありがとうございます」
言いながらレオンは、私の手を取って甲にキスをした。
手の甲に、レオンの柔らかい唇と熱が伝わり、それが背筋をゾワリと震えさせる。同時に私の胸の奥では、深雪を踏んだ時のような“キュッ”という小さな音が響いた。
「何もかもが不快だな」
仄暗い怒りを感じるキールの声に、私はハッ我に返る。今感じた感情をどこかへ押しやり、レオンの手をパッと離す。
あの後マリーゴールドと何か話したのか。彼女のことをどう思ったのか。レオンは今でも私を……?
聞きたいことはたくさんあるけど、今はひとまずキールの事をどうにかするのが先決だ。