男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました
酒は飲んでも飲まれるな。
これは私のモットーだったにも関わらず、その日だけはお酒をグビグビ飲み、千鳥足で家路に向かった。
飲みすぎた原因は複数存在している。
原稿の脱稿だけでなく、飲み屋が家の近所で帰り道に不安を覚えていなかったというだけでもない。
一番の理由をあげるなら、私の描いたマンガ『青い瞳の侯爵様は愛をささやく』略して『青愛』がアニメ化決定したことだった。
文字通り飛び跳ねて、叫んで、隣近所の家から苦情が来るくらい喜んだ出来事だったが、何せ原稿の締め切りと戦っていたため、祝杯はあげられずにいたのだ――その夜までは。
そう、だからこそ私は脱稿後にデロンデロンに酔っ払うほど飲み、家までの距離500メートルだというのに、見つけた電信柱では毎度えずき、ゲロテロリストの如く、吐き散らかして帰った帰り道。
やっとたどり着いたアパートの階段で足を踏み外した。
――私が覚えている、前世、永澤唯奈としての記憶は、それが最後だった。
これは私のモットーだったにも関わらず、その日だけはお酒をグビグビ飲み、千鳥足で家路に向かった。
飲みすぎた原因は複数存在している。
原稿の脱稿だけでなく、飲み屋が家の近所で帰り道に不安を覚えていなかったというだけでもない。
一番の理由をあげるなら、私の描いたマンガ『青い瞳の侯爵様は愛をささやく』略して『青愛』がアニメ化決定したことだった。
文字通り飛び跳ねて、叫んで、隣近所の家から苦情が来るくらい喜んだ出来事だったが、何せ原稿の締め切りと戦っていたため、祝杯はあげられずにいたのだ――その夜までは。
そう、だからこそ私は脱稿後にデロンデロンに酔っ払うほど飲み、家までの距離500メートルだというのに、見つけた電信柱では毎度えずき、ゲロテロリストの如く、吐き散らかして帰った帰り道。
やっとたどり着いたアパートの階段で足を踏み外した。
――私が覚えている、前世、永澤唯奈としての記憶は、それが最後だった。