男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました
「ローズオットーはそれでいいんですよ。完全に開花すると香りが弱まるのでね。本当は太陽が昇ってしまうと開花して香りが弱まるんっすけど、そうならないように特殊に細工した場所で花を育てておいたんっす」
「へぇ、詳しいのね」

 意外だ。
 そういえば otto(オットー)って言葉の由来はペルシャ語の attar(アタール)からきてたはず。花の精・香水という意味だ。
 ローズオットーを習った際、テキストにはそう書いてあった。
 そういう意味では、香水の原料になる精油を抽出する錬金術師のキャラ名がオットーなのはなるほど、と頷ける。

 とはいえ、オットーは私が作り出したキャラじゃないけど。
 厳密にいえば、私の描いたこの青愛の世界のキャラに間違いない。
 その容姿がそう物語っている。が、私が実際に作り上げたキャラではない。
 この世界がAI化し、私のイラストのテイストやらキャラを考慮して、自動で作り上げられたモブキャラといったところだ。

 だからこそオットーに関しては、実際はどういうキャラなのか、本心はどう思っているかなど、私の前世の履歴が通用しない人物ともいえる。

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