男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました
 あの後無事にレオンと書面にて契約を交付した。

 取り分は7:3の割合で、7割を私が、残りの3割をレオンに渡すという条件だけど、材料費や機材、必要なものはレオン側が出資してくれる。
 私がゆくゆくはショップを構えたいという考えを伝えると、その自立支援としてのコストもレオン持ちで用意してくれるという話になり……正直相手がレオンでなければ胡散臭いとしか思えない条件だった。

 騎士であり、仕事もできる敏腕な彼だからこそビジネスパートナーとして契約したのだけど、正直好条件すぎて疑問だらけだ。
 私はレオンが騎士としての様子はマンガ内で描いても、その他の仕事事情はほぼ描かなかった。レオンは全てにおいて完璧な私の理想を詰め込んだから、多方面において手腕を発揮できる人物だということは間違いないんだけど。

 問題はどうして私をここまで助けようとしてくれるのか。理由は分かってる。私の作る香水が欲しいから。それも喉から手が出そうなほど切望してるという事も。
 だからこそこの契約の中で彼が一番優先させたい条件としたのは、レオンが欲しがれば私は出来る限り優先度を上げて彼個人用の香水を作る事。
 そして媚薬効果のある香水の販売価格は高値に設定し、流通経路はレオンに任せるとの事だった。
 要は媚薬香水の主導権を掌握たいという事だ。私としては他の香水で事業展開していければいいから、別に構わない。
 私の疑問は、なぜ彼がそんなにまでして媚薬香水を得たいと思っているのかだ。

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