男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました
こういう時はリフレッシュが必要よね。頭をシャキッとさせて気分を変えるのならやっぱり果実の香りが一番だわ。
箱の中には調合を終えた香水や、原液のままの精油が所狭しと並べられている。
その中からビターオレンジの精油を取り出した。
普段はスイートオレンジの香りを好むけど、今の私に必要なのは、精神を強化して安定させる作用が強いビターオレンジだ。
ちょうどその時、ノック音と共に侍女がティーセットと私の依頼した熱湯を持って現れた。
「お嬢様、お茶はどちらにセットいたしましょうか?」
「コーヒーテーブルに用意して。お湯の入ったボールはここに持って来てちょうだい」
「かしこまりました」
粛々と仕事をする侍女が、熱湯を私の目の前に置いた。その時ふと彼女の利き手の甲が赤くなっていることに気がついた。
「その手、どうしたの?」
痛々しい赤い色がやけに目についてそう聞くと、侍女は気まずそうにパッと手を空いた片手で隠した。
「いえ、その、お恥ずかしい話なのですが、お湯を沸かす時に使用した火が爆ぜて、手に……」
「えっ、じゃあヤケドじゃない! ちょっと見せて」
思わず彼女の手首を掴んで怪我を見ると、チラッと見た時よりもヤケドの程度が重そうだった。すでに水ぶくれができている。
「紅茶の用意はいいわ。そのまま置いていてくれれば私がやるから」
「ですが、お嬢様……」
申し訳なさそうな表情を見せる侍女に、私は一喝。
「それより早く氷水で冷やしなさい。このままじゃ痕が残るわよ」
箱の中には調合を終えた香水や、原液のままの精油が所狭しと並べられている。
その中からビターオレンジの精油を取り出した。
普段はスイートオレンジの香りを好むけど、今の私に必要なのは、精神を強化して安定させる作用が強いビターオレンジだ。
ちょうどその時、ノック音と共に侍女がティーセットと私の依頼した熱湯を持って現れた。
「お嬢様、お茶はどちらにセットいたしましょうか?」
「コーヒーテーブルに用意して。お湯の入ったボールはここに持って来てちょうだい」
「かしこまりました」
粛々と仕事をする侍女が、熱湯を私の目の前に置いた。その時ふと彼女の利き手の甲が赤くなっていることに気がついた。
「その手、どうしたの?」
痛々しい赤い色がやけに目についてそう聞くと、侍女は気まずそうにパッと手を空いた片手で隠した。
「いえ、その、お恥ずかしい話なのですが、お湯を沸かす時に使用した火が爆ぜて、手に……」
「えっ、じゃあヤケドじゃない! ちょっと見せて」
思わず彼女の手首を掴んで怪我を見ると、チラッと見た時よりもヤケドの程度が重そうだった。すでに水ぶくれができている。
「紅茶の用意はいいわ。そのまま置いていてくれれば私がやるから」
「ですが、お嬢様……」
申し訳なさそうな表情を見せる侍女に、私は一喝。
「それより早く氷水で冷やしなさい。このままじゃ痕が残るわよ」