ふたつの秘密
頭の中で点と線がつながった瞬間、私は隣のクラスへとかけていた。
ドアから中の様子を確認すると、彼の姿が見えた。

彼も私を見つけて、クシュッとしたあざと可愛い笑顔を浮かべる。
私はゴクリと唾を飲み込んで教室に足を踏み入れた。

他の生徒たちが何事かと視線を向けて来る中、まっすぐに彼の方へ向かう。
彼は少し困り顔で、それもとびきりあざと可愛い困り顔で私を見ている。

彼の前に到着した私は人差し指を立てて唇に当てた。
彼にリップをつけてもらった日から私も同じリップを使い始めた。

彼からも香ってくるミントのリップの香り。
これはふたりの秘密。

絶対に秘密だよ。
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