ふたつの秘密
たとえば彼女がミントアレルギーを持っていて、それを知っていて彼がリップを塗ったとか。
匂いはきっと彼女の香水がかき消していたんだろう。

『ミントは使ってないから、大丈夫だよ』
彼が彼女にそんな嘘を伝える場面が脳裏に浮かんで、消えていく。

だけど、そういうのはただの憶測でしかないし、誰も知らないこと。
ただこれだけは言える。

私はもう二度と、彼女にイジメられることはないということ。
彼が手を差し出してきたので、私はそれをおずおずと握りしめる。

そして赤くなった頬で微笑み合う。

END

< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

人食い寺と新聞部

総文字数/12,139

ホラー・オカルト40ページ

表紙を見る
あの子の成績表

総文字数/57,316

ホラー・オカルト136ページ

表紙を見る
過去夢の少女

総文字数/67,290

ホラー・オカルト186ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop