友達オーディション
もちろん、授業で使う教室だから週に1度は言っている。
1階の一番角にある教室のことだ。

「そこから毒物をこの教室に持ってきてもらうの。もちろん、毒物にも色々種類があるよね? だから、誰が一番の毒物、劇物を持ってきたかで競ってもらおうと思うの」

椎名の説明に瞬時にいくつかの危険な薬品目が浮かんできた。
ホルマリン、ヒ素、硫酸。

この学校の科学室にはどれだけの毒物が置いてあっただろうか?
普段はあまり使わないものなので、把握できていないことが悔しかった。

「一斉に取りに行ったら怪我しちゃうかもしれないから、これで順番を決めてもらうことにするわね」

椎名が教卓の下から割り箸を取り出した。
それは銀色の缶の中に入っていて、一本引き抜くと先に番号が書かれていた。

「これを一本づつ引いていって順番を決める。それから毒物はこの袋に入れて持ってくること」
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