友達オーディション
「それ、どこの香水?」
ほわほわとしてしまっている千佳の代わりに私が質問した。
「あ、私は千佳の友達で、鈴野奈美です。よろしくね」
「こちらこそよろしくね。この香水は特別に作ってもらったものなの。私しか持ってないんだよ」
椎名はそう言うとニッコリと微笑む。
一瞬それが作り物とか、ロボットみたいに見えて戸惑う。
だけど左右対称の整った顔だからそう見えるんだろうと、自分で納得した。
「すごくいい香り……」
千佳がうっとりしている。
あまりに椎名に近づいて香水の香りを楽しもうとするので、「ちょっと、やめておきなよ」と、たしなめた。
確かにいい香りだけれど、近くで感じるとなんだか頭がクラクラしてくる匂いだ。
私には甘過ぎるんだろうか。
彼女が通ったあとの残り香なら、いい香りだと感じたのに。
「ごめん。私自分の席に戻ってるね」
そのうち本当にメマイがしてきて、私はひとりで席へと戻ったのだった。
ほわほわとしてしまっている千佳の代わりに私が質問した。
「あ、私は千佳の友達で、鈴野奈美です。よろしくね」
「こちらこそよろしくね。この香水は特別に作ってもらったものなの。私しか持ってないんだよ」
椎名はそう言うとニッコリと微笑む。
一瞬それが作り物とか、ロボットみたいに見えて戸惑う。
だけど左右対称の整った顔だからそう見えるんだろうと、自分で納得した。
「すごくいい香り……」
千佳がうっとりしている。
あまりに椎名に近づいて香水の香りを楽しもうとするので、「ちょっと、やめておきなよ」と、たしなめた。
確かにいい香りだけれど、近くで感じるとなんだか頭がクラクラしてくる匂いだ。
私には甘過ぎるんだろうか。
彼女が通ったあとの残り香なら、いい香りだと感じたのに。
「ごめん。私自分の席に戻ってるね」
そのうち本当にメマイがしてきて、私はひとりで席へと戻ったのだった。