友達オーディション
それでもずっと自信がありそうな笑顔を浮かべている重人のことは気になった。
教卓に出したビンの形も、みんなのものと少し違うみたいだ。
「僕が持ってきたのはヒ素だよ」
その言葉に教室内がざわめいた。
「ヒ素? そんなのなかったよ?」
最初に春美が眉間にシワを寄せて言った。
確かに、それだけの毒物をあの棚に置いておくとも思えない。
「あんた、卑怯な真似したんじゃないの?」
しのぶが重人に食って掛かる。
だけど重人は動揺を見せなかった。
「いや、これはちゃんと化学室にあったものだよ。ただし、あの薬品棚から持ってきたものじゃないけれど」
「どういうこと?」
椎名が質問すると、重人は背筋を伸ばした。
教卓に出したビンの形も、みんなのものと少し違うみたいだ。
「僕が持ってきたのはヒ素だよ」
その言葉に教室内がざわめいた。
「ヒ素? そんなのなかったよ?」
最初に春美が眉間にシワを寄せて言った。
確かに、それだけの毒物をあの棚に置いておくとも思えない。
「あんた、卑怯な真似したんじゃないの?」
しのぶが重人に食って掛かる。
だけど重人は動揺を見せなかった。
「いや、これはちゃんと化学室にあったものだよ。ただし、あの薬品棚から持ってきたものじゃないけれど」
「どういうこと?」
椎名が質問すると、重人は背筋を伸ばした。