友達オーディション
そして最下位は悔しさにうつむいたまま顔をあげなくなってしまったしのぶで決まりだ。
「残念だけれど、今回の最下位はしのぶちゃんね。もう少し冷静に考えれば重人くんと同じことを思いつけたかもしれないけれど、それができなかった。順番が悪いせいにしてエタノールなんて持ってきちゃって」
椎名の含み笑いにみんながつられて小さな笑い声を上げる。
大きな声で笑うのは椎名があまり好きではないとわかっていたから、大声を出して下品に笑う子は1人もいなかった。
しのぶが舌打ちをして汚い言葉を使ったときも椎名は嫌そうな顔をしていたから、気をつけないといけない。
「まだオーディションは続いていくんだから、そんな気を落とさないで。次は頑張ってね」
落ち込んでいるしのぶの肩に椎名が手を置く。
それを見ていいなと感じている自分がいた。
つい数時間前までは椎名にほとんど興味もなかったはずなのに、そんな自分は今や霞の向こうへと姿を消している。
「残念だけれど、今回の最下位はしのぶちゃんね。もう少し冷静に考えれば重人くんと同じことを思いつけたかもしれないけれど、それができなかった。順番が悪いせいにしてエタノールなんて持ってきちゃって」
椎名の含み笑いにみんながつられて小さな笑い声を上げる。
大きな声で笑うのは椎名があまり好きではないとわかっていたから、大声を出して下品に笑う子は1人もいなかった。
しのぶが舌打ちをして汚い言葉を使ったときも椎名は嫌そうな顔をしていたから、気をつけないといけない。
「まだオーディションは続いていくんだから、そんな気を落とさないで。次は頑張ってね」
落ち込んでいるしのぶの肩に椎名が手を置く。
それを見ていいなと感じている自分がいた。
つい数時間前までは椎名にほとんど興味もなかったはずなのに、そんな自分は今や霞の向こうへと姿を消している。